| 身体に現れる病気 | 精神に現れる病気 | 行動に現れる病気 |
そもそも人間には、刻々と変化する外界の環境に対して生体を安定した状態に保とうとする働きがあります。これをホメオスタシス(生体の恒常性)と呼んでいます。
しかし、この働きもストレス状態が強く継続的に続くことによって、うまく機能しないようになってしまいます。強いストレスの影響を受けることにより身体の免疫力が低下し、その結果として体調に変化が現れます。身体に現れる症状としては、食欲の低下、胃痛、睡眠障害や頭痛などがあります。
【食欲の低下】
日常生活の中で、何か気になっていることがあったり、悩んでいることがあると食事を摂る量が普段よりも少なくなるという経験があると思います。
私たちは食物を食べることを、普段は特に意識せずに、「おなかが空いたから、ご飯を食べよう」「おなかが一杯だから、もう止めておこう」としていますが、食欲のメカメカニズムは、人間の脳の視床下部という場所に、空腹感を感じる空腹中枢と、満腹感を感じる満腹中枢という場所があります。この空腹中枢と満腹中枢は血液の血糖と遊離脂肪酸の濃度をいつもチェックして、血液の血糖が上昇して遊離脂肪酸が下降すると(食物を食べた時だと思って下さい)満腹中枢が刺激されて、空腹中枢の働きを抑えて満腹感を感じ、もう食物を食べたくなくなります。このように食物を食べることは実は大変複雑なメカニズムで人間の脳がコントロールしている結果なのです。複雑なメカニズムであるからこそ、ストレスなどが原因でこの機能のバランスを崩すのです。
【胃炎・胃痛】
これは、ストレスからくる症状としては代表的なものです。仕事や人間関係に困った時に胃に痛みを感じた経験は、皆さんがお持ちだと思います。はじめは軽い胃痛でも状況が悪化すれば、胃潰瘍になって治療が必要になることもあります。そもそもの原因は胃酸にあります。胃酸は食べたものを消化するために必要で普段から、胃の中には胃酸があります。正常な状況では、胃壁は胃粘膜によって保護されていますが、強いストレスの状況ではこの胃粘膜が薄くなり、胃酸によって胃壁が損傷され痛みとなって現れます。
【睡眠障害】
睡眠障害とは、入眠、睡眠に何らかの異常がある状態を指します。翌日に緊張するような出来事がある場合など、気になってなかなか寝付けないということがあると思います。
睡眠障害においては、睡眠自体が疾患であるものや睡眠中に見られる異常な行動などがあります。睡眠自体に疾患があるものでは「不眠症」が代表的ですが、最近では、メディアなどでよく取り上げられるようになった睡眠時無呼吸症候群も睡眠自体の疾患で
す。
睡眠中に見られる異常な行動としては、夜驚症、夜尿症、催眠麻痺、周期性四肢運動などがあります。夜尿症などは、ホルモン分泌が密接に関わるためストレスの影響を受けやすいと考えられます。
【頭痛】
仕事が忙しい・人間関係に悩んでいるなど、ストレス状況にあると軽い頭痛が起こることがあります。ストレスは自律神経とも関係が深く、自律神経の乱れなどが原因で頭痛を起こすことがあります。頭痛は、よくあることだと思いがちですが、緊急に集中治療を施さなければ死に至る疾患の表徴であることがあり、脳梗塞やクモ膜下出血など危険な疾患であることもあります。